コラーゲン・ニュース
コラーゲンに関するメディアで報道された記事の内容について掲載します。
おことわり
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web news
掲載記事ヘッドライン
  • ・より美しく「超寿」時代(2007年5月3日 読売新聞)
    ・臍帯血から効率良く骨作成…東大医科研が成功(2007年3月27日 読売新聞)
    ・医療相談室(2007年1月28日 読売新聞)
    ・更年期の不快症状改善のために(3)(2006年11月22日 読売新聞)
    ・「GTR法」で組織再生(2006年9月6日 読売新聞)
    ・中高年も遅くない!男のスキンケア 紫外線対策が一番(2006年8月27日 読売新聞)
    ・アンチエイジング栄養学(4)3.たんぱく質(2006年8月18日 読売新聞)
    ・健康回復、薬と“二人三脚”(2006年5月29日 読売新聞)
    ・関節炎には天然II型コラーゲンがよく効く(2007年04月27日朝日新聞夕刊)
    ・細胞から歯が再生 東京理科大のグループ(2007年02月19日03時08分)
    ・(2)運も味方に「杜仲茶豚」(2006年05月24日)
    ・コラーゲン精製で新技術(2005年04月14日)
    ・あごの痛みが気になったら
    ・【暮らしと健康特集】冬の乾燥肌ケア
    ・【暮らしと健康特集】美容と若返り医療
    ・ヘルシーリポート:膝や関節の痛み 老化、どう防ぐ?(2007年4月28日毎日新聞朝刊)
    ・訴求力があるのはカテキン、コラーゲン、クエン酸など「購入してみたい」のトップは
    ・2人に1人以上が「ある程度効果あり」と回答(2005年1月31日日経新製品レビュー)
    ・腎細胞のニコチン受容体を発見(2006年10月12日日本経済新聞、原文2006年10月4日/Health Day New)
    ・線維芽細胞で歯周疾患や妊娠線を治療(同上2005年5月4日/Health Day News)
    ・恒久的効果もつしわ取り剤に賛否両論(同上2006年8月17日/Health Day News)
    ・松本歯科大、骨粗鬆症予防クッキーを学内売店でも販売
    ・アンチエイジング【第31回】日本人の18%色白は老けやすい(2005年08月13日)
    ・ハイテク【第47回】フォトフェイシャルで若返り(2006年08月28日)
    ・アンチエイジング医学最前線【第29回】紫外線が光老化を促進(2005年08月11日)
    ・浜中、本能のダメ押し2点三塁打(2005年05月23日)
    ・アンチエイジング医学最前線血中アルブミン値落とさない(2005年09月23日)
    ・の病気にこの名医 第63回】低再発率と針工夫「酢酸注入」
    ・ソフトB多村が完全静養(2007年02月10日)
    ・この病気になる理由【第64回】患者数1千万人、8割は女性骨粗鬆症
    ・磐田GK佐藤、ひざ痛耐え精力的(2005年02月11日)
    ・C大阪下村、12日東京V戦で復帰へ(2005年11月08日)
    ・【梅じゅん】ベテラン2人の活躍がうれしかったぁ〜
    ・ハンカチ世代に連敗(2007年05月03日)
    ・神戸・三浦淳“帰ってきた!”43日ぶり完全合流(2007年04月24日)
    ・広島・岡上"コラーゲン"で右ひじ治す!ライバル退団でチャンス
    ・「のんでみたら?肌が若返るよ」コラーゲン
    ・ビタミンCと一緒ならシミなどの改善結果も、コラーゲン
    ・腰痛や関節痛改善の噂の真相は…コラーゲン
    ・動物や魚の皮、骨、内臓で補充できる。コラーゲン
    ・長寿の根拠を求めて(4) 魚介類、なるべく丸ごとで(2007年05月08日中日新聞)
    ・マグロコラーゲン登場広い用途に期待(健康食品新聞2004年11月17日号)
    ・コラーゲン年間流通量、2,800t台に(健康産業新聞2006年05月03日号)
    ・コラーゲン年間流通量3,000t超美肌素材の代表格(健康産業新聞2007年04月04日号)


(日経新製品レビュー 2005年1月31日 78号より)
訴求力があるのはカテキン、コラーゲン、クエン酸など
「購入してみたい」のトップは新成分のコエンザイムQ10
2人に1人以上が「ある程度効果あり」と回答
 健康機能成分をうたい文句にした商品開発が加速している。コエンザイムQ10、L-カルニチン、グルコサミン、大豆ペプチドなど聞き慣れない新成分が相次いで登場。それをアピールした食品、化粧品の新製品ラッシュが起こっている。が、医薬品ではない食品などで健康機能成分を訴求するには法律上の制約があり、消費者には伝わりにくい面がある。新製品モニター1000人を対象に、インターネットによって健康機能成分の認知度をアンケート調査したところ、いちばん知られている成分は緑茶のカテキン。「購入してみたい」成分のトップに挙がったのはコエンザイムQ10だった。  (主任研究員 相良隼二)
調査の概要
日本経済新聞社の新製品評価サイトで新製品モニターとして登録してもらった1098人に04年11月、アンケートを依頼、614人から回答を得た(回答率55.9%)。回答者の内訳は男性が65.1%、女性が34.9%。年齢別では20代が20.2%、30代が37.0%、40代が23.5%、50代が10.4%など。
■コエンザイムQ10など続々と登場■
 健康機能成分をズバリ、ネーミングにした新商品が相次いで発売されている。
真正面から成分名を訴求することで健康機能をアピール。消費者をひきつけようという戦略だ。
 なかでも話題を集めているのがコエンザイムQ10。医薬品のビタミンQとして知られていたのが2001年から規制緩和によって食品素材としても使用できるようになり、昨年ブームになった。加齢によって衰える人の細胞を若返らせる効果が注目を集め、各社がそれを使ったサプリメント(栄養補助食品)、飲料、菓子、乳製品、化粧品などを一斉に発売した。

■関心の高さは10人に9人以上■
 では、消費者は健康機能成分についてどこまで知っているのだろうか。また、それが新商品の購買動機にどれくらいつながっているのだろうか。健康機能成分を取り込んだ商品開発にとって気になるポイントだ。
 そこで、市販商品に使われている健康機能成分を50種類ピックアップし、インターネットによるアンケート方式によって消費者の認知度を聞いた。健康機能成分はアミノ酸、ビタミン類、カルシウムなど古くからよく知られたものは除いた。
 まず、健康機能成分がどんなものなのか、関心があるかどうかを聞いた(図1)。
 回答者の過半数の52.8%が「少し関心がある」とし、「大いに関心がある」の39.4%を含めて「関心がある」は92.2%に達した。

■認知度トップはカテキン■
 「関心がある」と答えた人に対し、健康機能成分をどこまで知っているのか、その程度を「ちょっと聞いたり、読んだりしたくらい」「機能、作用などについてある程度知っている」「かなり詳しく知っている」「知らない」の4つのカテゴリーで50種類ごとに聞いた(図2)。
 まず、「知らない」を除く3カテゴリーをくくって「知っている」として集計し、健康機能成分の認知度ランキングをつくった(表1)。
 トップはカテキン(97.5%)。ほぼ全員が知っていた。次に9割以上の人が青汁(92.7%)、コラーゲン(92.5%)を知っていた。知っている人が8割台を占めたのはクエン酸(88.1%)、DHA(ドコサヘキサエン酸)(85.7%)、大豆イソフラボン(85.1%)。

■買い物はドラッグストアが主流■
 「購入したことがある」商品の形態はどんなものだろうか。幾つでも挙げてもらった。
 最も多かったのは「飲料」。72.6%を占めた。次が「サプリメント」(67.1%)で、「菓子などその他の食品」(44.7%)、「化粧品」(25.8%)と続いた(図3)。
 性別にみると、化粧品では圧倒的に女性が多く、サプリメントでも女性が男性を上回った。飲料、その他の食品では男女ともそんなに変わらなかった。
 
■期待するのは「血液サラサラ」効果■
 最後に、「これから新しい健康機能成分が開発されるとしたら、どんな作用のものを期待するか」を聞いた(最も期待するのを3つ挙げてもらった)。
 最も多かったのは「血液をサラサラにし血行を良くしてくれる」で、全体の63.4%を占めた。次が「目の疲れを治してくれる」(59.0%)。以下「記憶力・学習力など脳の働きを良くしてくれる」(55.4%)、「肥満を抑えてくれる」(53.9%)の順だった(図6)。


(10/12)腎細胞のニコチン受容体を発見
 腎細胞にニコチン受容体があることが初めて確認され、米サンアントニオ(テキサス州)で開催された米国心臓協会(AHA)秋季高血圧研究年次集会で発表された。研究を行った米マイアミ大学医学部助教授Edgar A. James博士によると、腎疾患患者で喫煙する人は、喫煙しない患者に比べ予後が悪いことを示す臨床的な証拠が多くあり、今回の研究で、その理由として考えられるメカニズムの一つが突き止められたという。
 腎臓は、体内の水分および電解質(カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムおよび硫酸塩など)の排出と再吸収の調節を担う臓器である。腎臓がこれらの物質を排出できなくなると、体液および血液の量が増大し、血液中に老廃物が蓄積して体調が悪くなる。高血圧の原因として最もよくみられるのが腎疾患であり、腎臓が体液の塩分濃度を調節しているため、わずかでも腎機能が障害されると血圧に影響が及ぶ。腎疾患が悪化すると腎不全に至り、人工透析または腎移植が必要になる。
 James氏および米マイアミ退役軍人メディカルセンターの研究チームは、腎細胞でニコチン受容体を探し、その存在を突き止めた。この受容体の存在は、これまで1も報告されたことがないという。受容体が見つかったのは、腎臓の濾(ろ)過装置にあたる糸球体にみられるメサンギウム細胞。腎疾患になると、この細胞が活性化され、腎臓の瘢痕化の原因となるコラーゲンやフィブロネクチンが作られるという。
 研究チームが、培養腎細胞に平均的な喫煙に相当する濃度のニコチンを添加したところ、同じ現象がみられた。メサンギウム細胞の増殖が50〜80%、フィブロネクチン産生が50%増大し、ニコチン受容体を阻害する化合物を添加すると、この作用は減少した。
 James氏は、「この損傷は、喫煙によるほかのあらゆる打撃の上に生じる、さらなる打撃」と述べ、今回の知見は腎疾患を治療する医師が実際に応用できるもので、「腎疾患患者にとって重要なのは、禁煙も治療の一部だという点」と指摘している。

原文
[2006年 10月4日/Health Day New


線維芽細胞で歯周疾患や妊娠線を治療
線維芽細胞(fibroblasts)と呼ばれる皮膚細胞の注入法によって、歯周疾患、脱毛症、進展性皮膚線条(妊娠線)など発生頻度の高い症状の治療が容易になることが新たな研究で明らかにされた。線維芽細胞は、皮膚や骨などの結合組織に存在するエラスチンやコラーゲンなど蛋白質の量を調節する。英ロンドン大学の線維芽細胞の専門家Mark Lewis博士は、線維芽細胞を皮膚から採取して増殖させ、標的とする部位に注入する過程を報告している。
 Lewis博士によれば、線維芽細胞は注入されると自らの働きを自動的に心得ていると思われる。「線維芽細胞は正常維持に関与するものを知っており、蛋白質の産生量を見事に把握する能力がある」という。
 線維芽細胞を用いる治療は、過去数年間、老化を来した顔面の若返りのために用いられてきた。最近、米テキサス州のバイテク企業Isolate 社が皮膚線条の治療に線維芽細胞を用いて成功を収めた。現在、妊娠に起因するこうした皮膚の異常は、外科的にのみ切除することができる。Isolate社企業開発担当の副社長のBob Sexier氏は「ケーススタディを15件実施、くぼみを来した妊娠線に対し大きな成果を示した。隆起した妊娠線はより治療が困難だが、現在研究を進めている」という。
 専門誌「Chemistry & Industry」5月2日号掲載記事に概略が示されているように、Isolate社は歯周疾患患者の歯肉組織を再生させるため、線維芽細胞注入法を用いて第I相および第II相の臨床試験を実施し成功を収めた。また育毛法にもある程度の成功を収めているが、Sexier氏は脱毛治療に対する何らかの商品が得られるかどうかは明らかではないと述べている。

>原文
[2005年5月4日/Health Day News


恒久的効果もつしわ取り剤に賛否両論
 たった1回の注射で、顔のしわを永久に消すことができるかもしれないという。7月末にサンディエゴで開催された米国皮膚科学会(AAD)の年次集会で、米食品医薬品局(FDA)の承認待ち段階の新しい注入剤「ArteFill」が取り上げられて以来、専門家の間では賛否両論が巻き起こっている。
 ヒアルロン酸やコラーゲンなどのいわゆる「軟組織注入剤」を用いたしわ取り治療は、手間と費用がかかる上、長くても半年から1年で効果が失われるが、このArteFillは違うという。製造元である米Artes Medical社(カリフォルニア州)によると、ArteFillはウシのコラーゲンを含んだゲルに、ポリメチルメタクリレート(PMMA)の微小粒子を麻酔作用のある0.3%リドカインとともに内包したもの。
 PMMA は、生体への人工物の移植で最もよく用いられている材料である。PMMAはほかの製品と異なり、注入剤を分解する人体内の酵素に強いため、長期間吸収されることなく残ると同社は説明している。Artes社はFDAに対し、鼻唇溝(いわゆる「ほうれい線」)の改善についてのみ承認を申請している。
 ADDに出席した医師らのArteFillに関する見解は、ぜひ使用したいという意見と、リスクを考え手は出さないという意見に二分されている。米国形成外科学会(ASPS)によると、医師の多くはArteFillがヒアルロン酸やコラーゲンに取って代わるとは考えていないが、昨年(2005年)米国では150万人が軟組織注入処置を受けており、このうちいくらかは、永続性を求めてArteFillに切り替えることも考えられる。
 Atres社のウェブサイトによると、FDAによる承認見込みの元となった臨床試験は2001年に終了しており、今年(2006年)5年目の結果が出る予定だという。ウシ・コラーゲンを使用しているため、施術前にはアレルギー検査が必要。費用は、ヒアルロン酸注入1回または1ccにかかる500〜600ドル(約6万〜7万円)より5割ほど高くなる見込みだという。

原文
[2006年8月17日/Health Day News]


松本歯科大、骨粗鬆症予防クッキーを学内売店でも販売
松本歯科大学は同大学の売店で、総合医科医学研究所の溝口利英講師の研究データに基づいて開発された骨粗鬆症予防クッキーの販売を始めた。クッキーは溝口講師の「骨粗鬆症に対するドロマイトの影響」を基に、骨強度や骨量の改善に効果のあるドロマイトとコラーゲンを配合した栄養機能食品。1袋(約20グラム)で成人が1日に必要なカルシウム、マグネシウムの80%が摂取できる。価格は12袋入りで1300円。


2005年08月13日
アンチエイジング医学最前線
【第31回】日本人の18%色白は老けやすい
「光老化」
 肌の衰えは加齢とともに進む。シワやシミから年が分かる。しかしシワやシミの形成には紫外線の影響が最も大きい。
 肌の弾力性は真皮の状態が左右する。真皮には膠原(こうげん)線維のコラーゲンや弾性線維のエラスチンがあり、ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸など糖たんぱく質が水分を取り込み、クッションの働きをしている。
 紫外線はコラーゲンを細かく切断する酵素(コラゲナーゼ)を多く作り出す作用がある。コラーゲンは3分間、太陽光を浴びるだけで変性することが分かっている。
 紫外線研究で知られる市橋正光・神戸大学医学部名誉教授は「子どものころから紫外線対策をしておけば皮膚の若さは保てます。シミも紫外線の影響でメラニンを作り出す遺伝子に変異が生じるためにできるものです」と言う。
 個人差もある。紫外線に反応してメラニンを合成する能力は遺伝的に決まっている。日本人では日焼けで赤くなるか黒くなるかで、スキンタイプをT〜Vに分類している。約70%がタイプU。日焼けでそこそこ赤くなり、その後に褐色になる。
 「赤くなりやすいが、黒くなりにくい人がタイプTで17〜18%います。いわゆる色白タイプ。紫外線の影響を防ぐメラニンを少ししか作らないので真皮へのダメージも大きい。老けやすいといえます」と市橋名誉教授。
 シミやシワは美容にとって大敵。直接、長寿とは関係しないが、日本抗加齢医学会理事でもある市橋名誉教授は「見た目の若さは精神的にも大きく影響します。若いといわれれば行動的にもなります。高齢社会に入った日本で皮膚の若々しさを保つことは想像以上に大切になってくる、と考えています」と話す。
 介護に美容を取り入れた化粧療法を実施する高齢者施設もある。美容福祉学科を設けた短大もある。健康長寿に精神的な問題は外せない。紫外線の影響は広範囲にわたるのである。
 紫外線対策をどうすべきかは次回で。
 ◆フォトリバイブ(光療法) 最近、普及し始めているシワ取り療法。LED(発光ダイオード)を使いコラーゲンを作り出す線維芽細胞を活性化させる方法。宇宙空間で植物を育成するため、米航空宇宙局(NASA)で開発された技術を応用している。光(紫外線)での衰えを光で改善するという皮肉な結果になっている。
August 13, 2005 09:50 AM


2006年08月28日
ハイテク医療最前線
【第47回】フォトフェイシャルで若返り/神戸大名誉教授市橋正光
肌の光療法(2)
 古い組織を取り除き、新しい皮膚の再生を促すのが光療法。シワ・シミ取りに応用され、肌の若返り治療して関心が高い。いろいろな光エネルギーが使われているが、普及のきっかけとなったのがフォトフェイシャルと呼ばれる機器。米国で開発された。
 IPL(パルスライト)を表皮部分に吸収されることで、メラニン色素を多量に持つ角化細胞にダメージを与え、表皮から速やかに排除し、シミを薄くする。また、真皮で吸収されると繊維芽細胞を活性化し、コラーゲンの再生を誘導する。IPLは治療部分に当たると、光エネルギーが熱エネルギーに変わる。
 紫外線による皮膚老化研究で知られる市橋正光・神戸大医学部名誉教授(サンケア研究所所長)は「1回の照射時間は15〜20分程度。3週間ほどの間隔で5回以上行うのが普通です。シミに対する効果は初回から見られますが、肌の肌理(きめ)や、しわの改善がはっきり分かるのは5〜6回目くらいでしょう。施術統計調査では約7割の方が3回目で何らかの若返り効果を実感しています」。
 米ジョン・ホプキンス医大皮膚科の研究では、IPLによるフォトフェイシャル治療効果は、約83%の人が4年後も感じていると報告している。
 「当然ですが、加齢による老化は光療法を受けても進みます。同年代の人と比較して真皮の新陳代謝が良く、肌に弾力があることが光療法の効果です。効果に個人差はありますが、私の治療実感では10歳以上は若返って見えますね」と日本抗加齢学会理事でもある市橋名誉教授は話す。
 フォトフェイシャルでは高周波(RF)と組み合わせたフォトRFという最新機器も登場している。IPLは表皮や真皮の浅いところに吸収されるが、高周波は真皮深層から皮下脂肪織にまで届きます。また、高周波は温度の高いところに流れる性質があり、IPLが熱エネルギーに変わる際の相乗効果が高まる、とされる。
 フォトフェイシャルは理論的には顔以外のシワ、シミ治療にも効果がある。首や手のシワ治療にも使われている。ただ「光療法は医療行為です。診断を含めて経験豊富な医師の治療を受けた方がいいでしょう。個人差もあるので過大な期待も避けましょう」と市橋名誉教授はアドバイスする。
 光療法は保険適用外。自由診療なので費用はまちまちだが、フォトフェイシャルは1回4〜6万円前後のところが多い。
 【医学ジャーナリスト小野隆司】
 ◆ボトックス シワ取り療法ではボツリヌス菌を注入するボトックスも有名。シワをつくる筋肉をマヒさせる作用を利用したもの。米国ではこの治療を受ける人が年間100万人を超える。長期的な持続効果は期待できないので、その都度、再治療を受けることになる。
August 28, 2006 11:50 AM


2005年08月11日
アンチエイジング医学最前線
【第29回】紫外線が光老化を促進
「光老化」
 夏、真っ盛り。小麦色に日焼けした姿はいかにも健康的にみえる。しかし、日焼けを起こす紫外線の影響は思う以上に大きい。紫外線研究の第一人者である市橋正光・神戸大学医学部名誉教授は「近年、急速に進歩した分子生物学の力で紫外線がなぜ健康に悪いのかが細胞や遺伝子レベルで分かってきました」と言う。
 太陽の光に含まれる紫外線は波長の違いからA、B、Cの3種類に分けられている。波長が短い紫外線ほどエネルギー量が多く、人体への影響が大きい。波長の最も短いCはオゾン層で吸収され、ほとんど地表には達しないが、エベレストの頂上くらい高くなるとCも届く。最近は環境汚染によるオゾン層の破壊で、紫外線Cの影響も心配されている。
 皮膚のシミやシワが紫外線の影響であることは、知られるようになってきた。光老化と呼ばれ、個人差はあるが、20歳過ぎから光老化は皮膚に表れ始める。この光老化に大きくかかわるのが紫外線A。「表皮の下にある真皮にまで届き、コラーゲンやエラスチンを変性させ、皮膚の老化を促進します。細胞内外で吸収される際、活性酸素を発生させるので遺伝子DNAも傷つけます」と市橋名誉教授は説明する。
 紫外線Bは直接、遺伝子DNAに吸収され、皮膚がんの原因となる。真皮には届かないが、表皮の90%を占める角化細胞に作用し、メラニンの産生に関係する生理活性物質(サイトカイン)を過剰に作り出す。メラニンの受け渡しが多い部分がシミとなることが分かっている。紫外線Bも光老化の犯人の1人なのだ。
 また皮膚は病気や異物に抵抗する免疫機能の重要な役割を担っている。表皮細胞内に存在するランゲルハンス細胞と呼ばれる細胞は、外から侵入した異物を捕らえ、リンパ節にあるリンパ球まで運ぶ。その結果、リンパ球の免疫反応が起こるのである。「ランゲルハンス細胞は紫外線に大変感受性が高いのです。日焼け後は10日間ほど働きが弱まります。つまり紫外線は免疫力を低下させる作用があるということです」(市橋名誉教授)。
 疲れがたまると口の周りにツブツブが出る。口唇ヘルペスと呼ばれるが、体の抵抗力が落ちると表れる。日焼けをした後、この口唇ヘルペスになる人がいる。紫外線が免疫力を弱めた結果なのである。アンチエイジングにとって紫外線対策は重要だ。
 ◆メラニン 紫外線に反応して合成される。表皮細胞の核の上に帽子のように乗り、紫外線の影響を防いでいる。色素細胞がつくり出し皮膚の色を決める。黒いユーメラニンと黄〜赤色のフェオメラニンの2種類あり、有色人種はユーメラニンが多い。抗酸化作用もある。
August 11, 2005 10:02 AM


浜中、本能のダメ押し2点三塁打
<阪神8−4ソフトバンク>◇22日◇福岡ドーム
 データだけじゃない。頭脳にインプットされていない球種でも打つ。浜中がチャンスでアーチストの本能を見せつけた。1点リードで迎えた8回2死一、二塁で代打で登場。ソフトバンク打線の力を考えれば、ノドから手が出るほど追加点が欲しい場面で、期待に応えた。5番手吉武と初対戦。1、2球はカットボールが外れた。3球目に予想していない変化球が来た。
 「カーブでしょう。待ってなかったです。球種にはあの球はなかった。自然に行けましたね」
 ネクスト・バッターズ・サークルに入る直前。コーチ陣からレクチャーされていた。「球種はシュートとカットボール」。そこにカーブ。それでも動じない。迷わず振り抜いた。ライナーで伸びた打球は、中堅のはるか頭上を超える。激走で2点適時三塁打とし、連勝を狙うチームを安全圏に導いた。
 お肌には、コラーゲン。女性の合言葉ではないが、浜中もコラーゲンを愛用している。いや、今や欠かせない存在となっている。ただ、それを生かすのはお肌ではなくじん帯や腱。2度の右肩手術後、浜中はあるサプリメントを購入した。これには関節に多く含まれるコラーゲンなどの成分が含まれる。負傷で磨耗した右肩を修復する役割を担う。昨年11月、契約更改の席上で、復帰目標を「6月中には2軍の試合に」と定めた。予想を上回る回復のひとつの要因に「お肌すべすべ」があるのだ。
 強敵ソフトバンクに引導を渡した浜中には、岡田監督も絶大の信頼を寄せる。「向こうが投手を代えてくるのは分かった。追加点が欲しいところやから」。勝負どころで真っ先に起用する代打は背番号31と決めている。「代打? 慣れないです。最初からいくことだけ考えてました」と浜中。交流戦はまだ21試合も残っている。積極的に打って出て、パ・リーグの投手陣を震え上がらせる。【酒井俊作】
[2005/5/23/09:14 紙面から]


ベッカムに整形疑惑、目尻のシワ消えた
 2日に32歳の誕生日を迎えたRマドリードMFデビッド・ベッカムに、整形疑惑が持ち上がった。6日付英紙ニュースオブザワールドは、整形外科医の第一人者カリディス氏の見解として「2年前はベッカムの額、目尻にシワがあったが、今は消えている。コラーゲン注射を顔面に打っているに違いない」などのコメントを掲載。ベッカム若返り疑惑を報じた。なお、注射1本に付き1000ポンド(約24万4000円)の費用がかかるという。
[2007年5月7日9時7分 紙面から]


2005年09月23日
アンチエイジング医学最前線
【第71回】血中アルブミン値落とさない
「寝たきり防止」
 寝たきりの防止はアンチエイジング医学にとっても柱となっている医療目標である。QOL(生活の質)を著しく低下させ、元気で長生きするためには大敵である。寝たきりを招く要因の上位を占める骨折・骨粗しょう症の予防対策は欠かせない。
 食事と運動が生体内代謝に及ぼす研究で知られる松尾達博・香川大学農学部助教授は「高タンパク質の摂取と筋肉を鍛えるレジスタンス運動が骨折・骨粗しょう症予防につながるはずです」と言う。
 骨密度、筋肉量とも20代前半をピークに加齢とともに衰える。体内のたんぱく質合成能力が低下するためだが、摂取する栄養バランスと運動不足が助長している面も無視できない。骨粗しょう症は閉経後の女性や高年齢の男性に多い病気だが、若い人でも栄養や運動不足などの影響でなる人がいる。生活習慣病の1つと考えられている。
 骨量の減少は骨の中のカルシウムの減少が要因になるがそれだけではない。「骨は硬たんぱく質の1種であるコラーゲンにカルシウムやリンなどがすき間なく詰まることでつくられます。たんぱく質不足も骨をもろくする原因になります」と松尾助教授は説明する。
 その点で心配されているのは、若い女性に多い急激なダイエット。食事制限を主とする過激なダイエットはカルシウムとたんぱく質不足を招き、骨も細くなる。閉経によるホルモンバランスの変化もあり、骨粗しょう症は女性の方が早く発症する。「肥満調査で唯一、やせ気味と判定されている今の若い女性層が骨粗しょう症になる確率は高いといえます。高齢期になって転倒などによる骨折から寝たきりになる危険性も高いのではと懸念されます」と松尾助教授。
 骨の形成には負荷も大きくかかわる。重量挙げの選手の骨密度は一般平均を上回っているが、水泳選手では筋肉量は多いが骨密度は一般平均並みだったという有名な研究報告もある。
 肥満は転倒骨折の要因に挙げられているが、軽すぎるのも問題ということになる。寝たきり防止への運動の大切は次回に。
 ◆寝たきり要因(東京都衛生局調査) 女性<1>骨折・骨粗しょう症(16・5%)<2>老衰、眼疾患(7・1%)<4>脳卒中、心臓病(5・9%)。男性<1>脳卒中(25・8%)<2>老衰(9・7%)<3>神経痛、けが(6・5%)<5>骨折・骨粗しょう症、心臓病、眼疾患、パーキンソン病(3・2%)。
September 23, 2005 10:11 AM


この病気にこの名医
第63回】
低再発率と針工夫「酢酸注入」
肝臓がん(内科)(中)
 肝細胞がんの内科的治療の柱となっている「経皮的エタノール注入療法」。超音波ガイド下で皮膚から針を肝細胞がんに刺してエタノールを注入する方法だ。ただし「針を刺す回数の多さ」と「再発が起きやすい」といった問題点がある。
 そこを改善した治療法として「酢酸注入療法」も行われている。肝細胞がんに注入するエタノールを酢酸に代えた療法で、開発者は元埼玉医科大学助教授で、現在、大西内科(埼玉県鶴ケ島市)の大西久仁彦院長(57)である。
 「エタノールを酢酸に代えたのは、酢酸の方ががん細胞を破壊するパワーが断然強いからです。肝細胞がん内の隔壁をエタノールは通過できませんが、酢酸は通過してがん細胞をたたくのです」と、大西院長は言う。
 隔壁を通過することが「針を刺す回数を減らす」ととともに「再発をも少なくした」と考えられる。
 事実、その生存率を比較してみよう。経皮的エタノール注入療法は1年目が93%、2年目が81%、3年目が65%、4年目が52%。一方、酢酸注入療法は1年目が93%、2年目が86%、3年目が83%、4年目が64%となっている。  さらに、再発率はもっと目を見張るものがある。エタノールの再発率は1年目が33・8%、2年目が60・8%、3年目が65・7%、4年目が75%。一方、酢酸の再発率は1年目が8・9%、2年目が37%、3年目が40・3%、4年目が43・8%である。
 再発率をこれだけ抑えられたのは酢酸に代えた以外に、針にも工夫を凝らしたからだ。「針を抜くときにがん細胞を周囲にとばしていると考えたのです。そこで針を二重にしました。それでも直径0・7ミリの針です。まず内側の針を抜いて、そこへコラーゲンでできたパウダーを流し込み、治療部分を詰めて針を抜くとがん細胞は周囲にとびません」。
 2点の改良が酢酸注入療法の好成績を生み出したのである。